「退職所得の需給に関する申告書」を出さないと退職金に余分な税金がかかる

 もうすぐ4月だ。

 無事に会社生活を勤め上げ、退職金をもらい、4月には会社を定年退職なんて人もいるだろう。

 あるいは、「この会社に見切りをつけて、新しい会社に転職」なんて人もいるかも。

 で、退職金にも税金がかかるって知ってた?

退職金にも税金がかかるのだ

 退職金にも税金はかかる。

 ただし、『最低でも80万円の控除+控除後の所得の半分に課税され、源泉徴収される』。

 退職金が80万円なら税金がかからない。

 退職金が80万円以上の場合、勤続年数によって、退職金の退職所得控除の額が違ってくる。

長く勤めればそれだけ退職所得の控除が多くなってお得

 退職所得の控除額は、勤続年数が長いほど控除額が大きくなる。

 なので、同じ額の退職金をもらうとしたら、勤続年数が長いほうが、実際に手元に残る退職金は多くなってお得なのだ。

退職所得控除の計算式

 退職所得の控除額の計算式は以下のようになっている。

  • 勤続年数20年以下の場合の退職所得控除額(ただし最低でも80万円)= 40万円×勤続年数
  • 勤続年数20年超 の場合の退職所得控除額=800万円+70万円×(勤続年数-20年)  

 例えば、退職金が1000万円(税込み)だった場合で勤続年数5年の人と勤続年数25年の人の退職金の手取り額を比べてみると

勤続年数5年・退職金1000万円(税込み)の場合

  • 退職所得控除額=40万円×勤続年数5年=200万円
  • 課税される退職金(退職所得)=1000万円-{(1000万円-200万円)×0.5}=1000万円-400万円=600万円。
  • 所得税額=(600万円-基礎控除42.75万円)×所得税率20%=111.45万円。
  • 復興特別所得税=111.45万円×2.1%=約2.34万円
  • 住民税=600万円×10%=60万円。

 手元に来る退職金=1000万円-所得税111.45万円-復興特別所得税2.34万円-住民税60万円=約826.2万円。

勤続年数25年、退職金1000万円(税込み)の場合

  • 退職所得控除額=800万円+70万円×(勤続年数25年-20年)=1150万円。

 税込みの退職金額より、控除額のほうが多くなっているので、この場合、所得税も住民税もかからない。

 まるまる1000万円手元に退職金としてくる計算になる。

手続きしないと退職金の控除が受けられない

 ところで、今までの話は「退職所得の需給に関する申告書」を会社に提出した場合の計算。

 この「退職所得の需給に関する申告書」を会社に提出しないと、退職金の控除を受けることができない。

 「退職所得の需給に関する申告書」を出さなかった場合には、退職金総額に所得税及び復興特別所得税20.42%+住民税10%の税金がかかってくる。

 仮に退職金総額が1000万円の場合

  • 1000万円-(1000万円×20.42%+1000万円×10%)=1000万円-204.2万円-100万円=手元に来る退職金は695.8万円。

 この場合、確定申告すると、払いすぎた税金が還ってくる。

「退職所得の需給に関する申告書」を出したかどうか判らない人は?

 本来、「退職所得の需給に関する申告書」は従業員が出すのが本当だが、たいていの場合、会社が手続きしてくれる。

 でも、会社の総務がしっかりして無いところは、こういう書類関係について無知な場合もあるから、要注意。

 ま、確定申告すれば返ってくるお金だから、会社が馬鹿でも怒んない様に。

 ちなみに「退職所得の需給に関する申告書」の用紙は、税務署においてあります。

スポンサーリンク

シェアする

フォローする