遺族が受け取れる年金についてちょっとまとめてみた。
年金というと、老人になったときにもらえるものという意識が強いが、遺族が受け取ることができる年金は、若いときでももらうことができる。
ただし自営業の人とサラリーマンとでは受け取ることができる年金にも違いがあるようだ。
亡くなった人が自営業の場合で一度も厚生年金に加入したことがない場合
(・寡婦年金)
(・死亡一時金)
()については、支給要件を満たしている場合。
亡くなった人が自営業で厚生年金の加入期間が年金加入期間の2/3未満ほか
・遺族基礎年金
(・寡婦年金)
(・死亡一時金)
()については、支給要件を満たしている場合。
亡くなった人が厚生年金に加入していた場合で厚生年金の加入期間が年金加入期間の2/3以上
・遺族厚生(共済)年金
ただし、厚生年金加入期間のある自営業の人の場合は厚生年金加入中の傷病がもとで初診日から5年以内に亡くなった時。
(・寡婦年金)
(・死亡一時金)
()については、支給要件を満たしている場合。
遺族基礎年金の支給要件の概要
遺族基礎年金を受け取れる遺族は「(通常18歳未満の子のある)妻」又は「子(通常18歳未満)」に限られている。
*子に障害がある場合はこの年齢が20歳未満の場合。
要するに、子供が居なければ遺族基礎年金は受け取ることができない。
寡婦年金の支給要件の概要
寡婦年金の支給要件の概要は以下。
・亡くなった人が国民年金に25年以上加入し、保険料を払っていた場合は、寡婦年金を遺族が受け取ることができる。
寡婦年金を受け取ることができる人
寡婦年金を受け取ることができるのは、亡くなった人と10年以上継続して婚姻関係がある「妻」のみとなる。
*妻が(妻自身の)老齢基礎年金を繰上げ受給すると寡婦年金を受け取ることができない。
寡婦年金を受け取ることができる期間
寡婦年金は、残された妻が60歳から65歳になるまでの5年間の支給となる。
死亡一時金支給の概要
・国民年金の保険料の支払い期間が3年以上ある場合。
・老齢基礎年金・障害基礎年金を受けることなく亡くなったとき。
・一回だけの受給になる。
死亡一時金を受け取ることができる人
死亡一時金は死亡した人と生計を同じくしていた以下の人が受け取ることができる。
1)配偶者
2)子
3)父母
4)孫
5)祖父母
6)兄弟姉妹
優先順位は1)⇒6)。
*受け取る人が老齢基礎年金を繰上げ受給をしても死亡一時金は受け取ることができる。
寡婦年金と死亡一時金の同時受け取りはできない
寡婦年金と死亡一時金の同時受け取りはできない。
寡婦年金は妻が老齢基礎年金を繰り上げ受給した場合は受け取ることができない。
寡婦年金は再婚した場合受給資格を失う。
一方、死亡一時金は受け取る側が老齢年金の繰上げ受給を受けても受け取ることができる。
また、1回だけの支給なので死亡一時金を受け取った後で、妻が再婚しても返せとは言われない。
金額的には、寡婦年金のほうがお得なのだが、上に書いたように、寡婦年金にはいろいろな条件が付いているので、ケースによっては死亡一時金を受け取った方が得になるケースもあるようだ。
遺族厚生(共済)年金の概要
遺族厚生年金の場合は、子のある妻や子だけでなく、妻、子、夫、父母、孫、祖父母も受け取ることができる。
受給の優先順位は1)配偶者⇒2)子⇒3)孫⇒4)父母⇒5)祖父母の順になる。
遺族が受け取れる年金まとめ
遺族基礎年金は「子供を育てるための年金」
寡婦年金は「年取った妻に対する年金」
というような感じ。
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