皆の暮らしている地域には「民生委員」という人たちがいる。
何をしているかというと「地域の人の相談に乗る」というのが主な仕事だ。
が、この民生委員、到底仕事と呼べるものではない。
何しろ、報酬がない。
もらえるのは、交通費や通信費などの実費のみ。
民生委員とは何か?
民生委員は、
常に住民の立場に立って相談に応じ、及び必要な援助を行い、もって社会福祉の増進に努める社会奉仕者であり(民生委員法第1条)、日本の市町村の区域に配置されている。民生委員法(昭和23年法律第198号)に規定される。地方公務員法第3条第3項第2号に規定する非常勤の委員であり、政令指定都市・中核市にあっては市の、その他市町村(特別区を含む)にあっては都道府県の特別職の地方公務員である。
民生委員は児童福祉法第16条第2項に基づき児童委員を兼ねるとされている。民生委員はその職務に関して、都道府県知事などの指揮監督を受ける(第17条1項)。市町村長は、民生委員に対し、援助を必要とするものに関する必要な資料の作成を依頼し、その他民生委員の職務に関して必要な指導をすることができる(第17条2項)。
とされている。
が、地方公務員といっても、無報酬のボランティア。
民生委員の報酬
2012年度の民生委員の報酬は年額「4万円以上6万円未満」が23.0%、「6万円以上8万円未満」が19.3%、「8万円以上10万円未満」が17.3%と上位3ランクで全体の6割程度を占めており、全体の平均は78,234円。
24時間ノンストップ
民生委員の仕事は、幅が広い。
地域の一人暮らしまたは高齢者の世帯の把握や、子供のいる家庭の自裁の生活の把握、地域住民の相談に乗ったり、書類を作ったり。
ほとんど24時間ノンストップ。
任期は3年。
守秘義務もあり、民生委員をやめた後も、守秘義務は続く。
民生委員に選ばれるのは?
民生委員は
「当該市町村の議会の議員の選挙権を有する者」「人格識見高く、広く社会の実情に通じ、且つ、社会福祉の増進に熱意のある者」の中から都道府県知事又は政令指定都市若しくは中核市の長の推薦し、厚生労働大臣が委嘱することによって決定される(第5条、第6条)。また、「当該市町村の議会の議員の選挙権を有する者であって成年に達した者。
とされている。
けど、現実は、民生委員をやりたい人がいなかったりするので、地域によっては、持ち回りでやっていたりする。
ま、それも無理のない話で、年7万円くらいの報酬(というより必要経費だけの支払いの無報酬)。
しかも、24時間ノンストップ。
さらに、守秘義務はやめた後までついてくる。
これで、民生委員を進んでやるという人は、相当に人が良いのじゃないかと思う。
民生委員は橋渡し
こんな過酷な民生委員。
真面目にやったら、自分自身がつぶれてしまう。
「福祉の手助けが必要な人と行政の橋渡し」と割り切って、相談を受けたら、市町村へ報告する。
程度の認識でいた方が身のため。
それでも、書類に署名したり、いろいろと仕事はあるんだから。
実は知人に今年初めて民生委員になった人がいる。
曰く「申し送りもないし、研修も民生委員になった2か月も後にするらしい。地域から相談があっても、どこにつなげばよいかもわからない。任期前にせめて、相談があったら、どこに連絡すればよいか教えてほしかった。」といっていた。
あわれ…。
実態はこんなもん。
まあ、名誉職だと喜んでやる人もいるんだろうけど。
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