副業の確定申告、収入をどの所得で申告するか?
収入によって申告する所得の種類が決まっているものもある。
が、特別決まっていないものも。
副業の収入を確定申告するとしたら『雑所得』『事業所得』『山林所得』『不動産所得』のどれかだ。
山林の収益が副業なら、山林所得ではっきりとしている。
そのほかの副業がどの所得に該当するか。
不動産や土地の賃貸での所得は基本的には『不動産所得』
不動産や土地建物の賃貸での所得は、基本的には不動産所得として確定申告する。
不動産所得や山林所得の赤字は、他の所得との損益通算が可能。
不動産賃貸が事業規模になった場合は事業所得として申告することもできる。
事業所得として申告すると、白色申告の事業専従者控除の適応を受けることができる。
他にも、メリットがあるので、できれば事業所得として申告したいところ。
不動産による所得を事業所得として申告できる基準
- 貸間、アパート等については、貸与することのできる独立した室数がおおむね10室以上であること。
- 独立家屋の貸付けについては、おおむね5棟以上であること。
というおおよその条件がある。
事業所得として確定申告するもの
農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業から生ずる所得は事業所得として確定申告を行う。
農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業までははっきりしているとして、判然としないのは『そのほかの事業』という部分。
山林所得・事業規模にならない不動産所得以外の副業の所得で、事業として継続的に行われている副業は、事業所得として申告することもできる。
FX・株の売買・アルバイトによる副収入などは継続的に行っていても、事業所得では申告できない。
雑所得として申告するもの
不動産・山林業・株の売買・アルバイト収入による副業の所得以外は、雑所得として申告することもできる。
継続的に収入を得ていない場合は雑所得として確定申告する。
FXは雑所得。
株の売買は譲渡所得。
アルバイトの収入は給与所得となる。
雑所得として申告することのメリット・デメリット
- 事業所得と違って、書類の作成が簡単。
- 雑所得同士の損益通算が可能。
- 雑所得以外の所得との損益通算ができない。
事業所得として申告することのメリット・デメリット
- 赤字が出た場合、他の所得(本業の給与所得を含め)と損益の通算ができる。
- 雑所得として申告する場合に比べると、書類の整備が面倒。
- 「特別徴収税額の通知書」で会社に副業がばれる可能性がある。
事業所得と他の所得との損益通算は、本業の給与所得との通算も可能なので、継続的に副業を続けるつもりがあれば、事業所得として申告したほうがお得度が高い。
赤字なら、給料から引かれている所得税が戻ってくるし、住民税も安くなる可能性がある。
白色申告の場合、事前に事業所得として申告するための申し出などは特にない。
ただし、会社にばれる可能性は高い。
青色申告ならさらに節税効果あり
白色申告の場合、雑所得は雑所得同士の損益通算ができる。
また、雑所得以外の事業所得・不動産所得・山林所得として申告した場合、給与を含めすべての所得と損益の通算ができる。
青色申告の場合は、さらに、65万円または55万円または10万円の青色申告控除がつく。
副業の所得が赤字にならない場合、青色申告なら、黒字分が青色申告控除で相殺されるため、所得税がかかってこない(または、白色申告より安くなる)。
青色申告控除と給与所得の基礎控除とは別物。
青色申告控除を受けたら給与所得の控除は受けられないなんてことはないので安心していい。
繰り返しますが、青色申告控除はサラリーマンの副業でも適応可能。
青色申告控除を受けても給与所得の基礎控除を受けることができる。
また、青色申告した分の所得の赤字分は、3年間繰り越すことができる。
ただし、控除がついたり、赤字の繰越ができる分だけ面倒なことも多い。
事前に開業手続きを税務署にしないといけない。
基本的に複式帳簿を付けないといけないので帳簿のつけ方が複雑だったりする。
また、白色申告の事業所得の場合と同じように、「特別徴収税額の通知書」で会社に副業がばれる可能性がある。
とまあ、こんなわけで、副業が会社にばれるのがいやな人は、雑所得として申告するほうが無難。
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