最近、よく意味の分からない文章に出くわすことが多い。
ある日、出くわしたのは「俺はお前のことが嫌いだと言えば、あいつは何も言わず食い下がったことだ。」の一文。
しかも、文章の中に、時々「食い下がる」というのが出てくるのだが、読んでいると全く前後の文章の意味とつながらない。
「Aは何も言わず黙って出て行った。Aが駄々をこねたからといってBの行動が変わるわけではない。だから、Bは何も言わなかった。本当はAも食い下がらないつもりだった。」といった具合。
どうも、この文章を書いた人、「食い下がる」の意味を間違えているように思うんだけど。
「食い下がる」ってどういうこと?
「食い下がる」は「くいさがる」と読む。
「食い下がる」の意味は
例)「相手があきらめるまで食い下がる」
要は「あきらめないで相手に立ち向かう」とかの場合に使う。
「何も言わず食い下がったことだ」ということは「無言でどこまでも争った」「無言で粘り強く立ち向かった」ということになる。
「俺はお前のことが嫌いだと言えば、あいつは何も言わず食い下がったことだ。」どうにも意味が通じない。
「Aは何も言わず黙って出て行った。Aが駄々をこねたからといってBの行動が変わるわけではない。だから、Bは何も言わなかった。本当はAも食い下がらないつもりだった。」ということは「本当はAはBに粘り強く立ち向かうつもりはなかったが、(実際には)AはBに粘り強く立ち向かった。」ということ。
食い下がった後にAが出て行ったのならわかるが、Aが食い下がっている描写はない。
たぶん、これは「引き下がる」の意味で使ったのだと思う。
「食い下がる」の意味を逆にとらえている?
でも、最近ではを「食い下がる」の意味を間違えて解釈している人も結構いるらしい。
どういう解釈だかわからないが、「食い下がる」=「諦める・身を引く」という意味だと勘違いしている人も結構いるらしい。
「食い下がる」のもともとの意味は「食いついて離れない」という意味だから、「食い下がらない」なら「あっさりと身を引く(あきらめる)」になるけど。
「食い下がる」=「諦める・身を引く」じゃないからね。
「食い下がる」は「あきらめない」が正しい使い方です。
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