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「食い下がる」ってどういうときに使う?

言葉 こ金虫の日記
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 最近、よく意味の分からない文章に出くわすことが多い。

 ある日、出くわしたのは「俺はお前のことが嫌いだと言えば、あいつは何も言わず食い下がったことだ。」の一文。

 しかも、文章の中に、時々「食い下がる」というのが出てくるのだが、読んでいると全く前後の文章の意味とつながらない。

 「Aは何も言わず黙って出て行った。Aが駄々をこねたからといってBの行動が変わるわけではない。だから、Bは何も言わなかった。本当はAも食い下がらないつもりだった。」といった具合。

 どうも、この文章を書いた人、「食い下がる」の意味を間違えているように思うんだけど。

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「食い下がる」ってどういうこと?

「食い下がる」は「くいさがる」と読む。

「食い下がる」の意味は

1 食いついてぶら下がる。食いついて離れないでいる。
2 強い相手に粘り強く立ち向かい、どこまでも争う。粘り強く追及する。
例)「相手があきらめるまで食い下がる」
3 相撲で、相手の胸に頭をつけて前褌(まえみつ)を引き、腰を低くして組む。

 要は「あきらめないで相手に立ち向かう」とかの場合に使う。

「何も言わず食い下がったことだ」ということは「無言でどこまでも争った」「無言で粘り強く立ち向かった」ということになる。

 「俺はお前のことが嫌いだと言えば、あいつは何も言わず食い下がったことだ。」どうにも意味が通じない。

 「Aは何も言わず黙って出て行った。Aが駄々をこねたからといってBの行動が変わるわけではない。だから、Bは何も言わなかった。本当はAも食い下がらないつもりだった。」ということは「本当はAはBに粘り強く立ち向かうつもりはなかったが、(実際には)AはBに粘り強く立ち向かった。」ということ。

 食い下がった後にAが出て行ったのならわかるが、Aが食い下がっている描写はない。

 たぶん、これは「引き下がる」の意味で使ったのだと思う。

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「食い下がる」の意味を逆にとらえている?

 でも、最近ではを「食い下がる」の意味を間違えて解釈している人も結構いるらしい。

 どういう解釈だかわからないが、「食い下がる」=「諦める・身を引く」という意味だと勘違いしている人も結構いるらしい。

 「食い下がる」のもともとの意味は「食いついて離れない」という意味だから、「食い下がらない」なら「あっさりと身を引く(あきらめる)」になるけど。

 「食い下がる」=「諦める・身を引く」じゃないからね。

 「食い下がる」は「あきらめない」が正しい使い方です。

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