コメの値段を下げるのに、「農家の大規模経営を勧めたい」って言う話。
もっともな話なんだけど、中には、受け付けない人もいるんだよねえ。
独立した農家は中小企業と同じ一国一城の主。
大規模化して企業化すると、一国一城の主じゃなくなるからなあ。
農機具が高いんです
実家は農家。
確定申告などはこちらがやっていた。
金額が大きいのはやはり農機具。
米を作っている面積に関係なく、農機具は必要。
本来なら、それこそ大きな面積ならいいけど、小さな面積で米を作っていると農機具代が経営を圧迫する。
今時の田んぼというのは、農機具が入れやすいように一つの田んぼの区画整備がされていることがほとんどで、だいぶ広い。

棚田なんかは別だけどね。
一つ一つの田んぼが広いといっても個人で作れるトータルの米面積は限られるわけ。
それでも、企業化しないのは、どこぞの芸人の言っていた
「収益になるところはすでに大規模化していて、今していないのは、収益にならないところだ。」
という訳では無い。
と思う。
農協に出荷していない米農家も結構いる
ちなみに農協に出荷していない米農家も結構いる。
「こだわりの○○家ブランド」なんてものではなく、単に農協の買取単価より米屋に直接売った方が単価が高いから。
家の実家も米屋に直接できたお米を売っていた。
実家の父曰く「JAにおろすと、買いたたかれる」そうだ(ほんとかウソかは知らないけど)。
農業組合もあるけれど
農協とは別に農業組合みたいな組織もある。
いくつもの農家が土地を持ち寄って、大規模化して、米をみんなで生産する形のが農業組合。
有限会社や株式会社みたいに企業にしているところもある。
農機具は組合(会社)として買うので、農機具を個々の農家が用意するより合理的かつ経済的。
農機具のメンテナンスも設備投資も収穫も個人の農家がするより時間も手間も金もかからない。
良いことばかりのようだが、「自分が米を作ることができるうちは農業組合には入らない」という人もいる。

「農業組合に入らない」といっている人の大半は、自分の家で米農家をやっている時は、自分の思い通りに米を作ることができるが、農業組合に入ったら、自分の思い通りにはできないというのが最大の理由みたい。
実際、農業組合の中でも「(元の)自分ちの田んぼが後回しにされた」とかなんとか、もめることも多いらしい。
「収益になるところはすでに大規模化していて、今していないのは、収益にならないところだ。」が米農家の大規模化が進まない理由な訳では無いんじゃないかと思う。
個々の米農家の意識の問題が大きいと思う。
世代交代して、合理的な考えを持った世代にならないと難しいかも。
農地は売るのも買うのも難しい
農地は売るのも買うのも難しい。
農地法の規制
農地は売るのも買うのも農地法という法律の規制がある。
農業をする気がある人に農地を売りたいと思っても、農地法の規制で簡単にはいかない。
農地法では
という取り決めがある。
ちなみに、この農地法で農地を購入できるのは
・必要な機器を所有している。
・適正な人数が農業に従事していて、常時すべての土地を使用している。
・現在の耕作面積が50a以上である。
など
の条件がある。
近所の農家に買ってもらえれば一番いいのだが、今時そんなきとくな人はなかなかいないのが現状。
農地を売るにはどうするか?
農地を売るとしたら、「農地を農地として売る」か「農地を転用して別用途として売る」ことになる。
ただ、この「農地を転用して売る」というのもなかなか難しい。
農地を転用するにも
・許可申請する時点で「何を建てて、何の目的でどういう風に使うのか」がはっきりと決まっている必要がある。
・転用の際の資金も十分にあることが証明できる。
という面倒な取り決めがある。
かくて、休耕地はどんどん増える。

あれた休耕地を田んぼに戻すのは大変らしいよ。
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