成年後見制度の補助・補佐がついている場合、年数がたつにつれて、補助や補佐だけでは足りず、後見をする必要が出てきた場合、どうやって切り替えるんだろう。
補助とか補佐の場合、同意権はあるが、代理権は制限(申し立ての時に代理権の範囲を決める)されている。
でも、年齢を重ねれば、本人の判断能力はだんだん落ちていくことの方が多いよね。
その場合、同意権や申請時に決めた代理権だけでは対処できない場合も出てくるだろうと思う。
成年後見制度って何?って人は↓見てね。
成年後見制度で家族が後見する場合は↓見てね。
代理権の追加には本人の同意が必要
補助人・保佐人の代理権は、成年後見制度の申し立ての時にあらかじめ決められている。
代理権を追加することもできるが、その代理権の追加には補佐や補助を受けている人(この場合、被保佐人・被補助人)の同意が必要になる。
でも、年齢を重ねるうちに、代理権追加の同意が得られないほど、判断能力が落ちていたなんて可能性、ものすごく高い。
では、どうするか?
代理権追加の同意が示せないほど判断能力が落ちていた場合、「補助・補佐からの類型変更」をするということになる。
成年後見人制度に「類型変更」の手続きがない
成年後見制度の「類型」というのは「補佐」「補助」「後見」という分類のこと。
それぞれ「補助人」「保佐人」「後見人」というのがつく。
「補佐」「補助」「後見」を判断するのは、家庭裁判所だが、基本的には「医師の診断書」に示されたとおりになることが多い。
要するに、医者が「後見が必要」と診断書に書けば「後見人」がつく。
「補助」と診断書に書けば「補助人」がつく。
以前の診断書が「補助」で、新しい診断書が「後見」の場合、「後見」であるべきと家庭裁判所は判断する。
で、「補助」から「後見」へと「類型変更」をするという流れになるのだが、実は「類型変更」という手続き自体がない。
初めから後見制度の申請をやり直す
補助・補佐から後見への切り替えって、特に、切り替えのための手続きがあるわけじゃない。
じゃあ、そのままでよいかというとそうもいかない。
なんと、もう一度初めから、成年後見の申請をし直すのだそうだ。
初めから成年後見の申請を家庭裁判所にする。
そして、家庭裁判所に「後見人」を認めてもらう。
だけでなく、「補助・補佐の終了」をあちらこちら手続しないといけないらしい。
「裁判所」「(第三者後見人の場合)所属団体」「法務局」「銀行」に補助・補佐の終了を届け出て、補助補佐から後見になったら、また、「(第三者後見人の場合)所属団体」「法務局」「銀行」に後見開始の届け出をするんだって。
すごく面倒…。
逆に「後見」から「補助・補佐」に変更するのも同様、新しくまた成年後見制度の申し立てをする。
とはいえ、一番最初に成年後見制度の申し立てをする場合よりは、必要書類がそろっているので、短い時間で済むらしいけど。
もう少し、手続きが簡単になった方がいいんじゃないだろうか?
再度の成年後見制度の申し立ては補佐・補助人でも申し立てが可能
補助・補佐から、後見へ帰るための再度の成年後見制度の申し立ては、補助人・保佐人でも可能。
他の人が一から必要書類をそろえ申し立てるより、財産関係や何かの書類を把握している補助人・保佐人が申し立てた方が面倒がない。
コメント