老親にとっては子供が同居してくれるというのはめでたいことだ。
が、お金の面で言うと、子供との同居は必ずしも得にならない。
介護保険料に関しては、親子同居は損になることが多い。
介護サービスを受けるときも、子供と同居だと制約が多い。
介護保険料はどうやって決まる?
「親子同居で介護保険料は高くなる」
それはなぜか?
介護保険料が決定される仕組みを見るとよくわかる。
介護保険料は
で決まる。
東京都の場合は16段階。
上の表は東京都の例。
表を見てわかるように、本人や配偶者が住民税非課税でも世帯の中に住民税を払っている人がいると、介護保険料は高くなる。
世帯の中で住民税を払っている人がいると、最低でも第4段階となり、介護保険料は年間63100円となる。
住民税非課税の老夫婦だけの世帯であれば、第3段階が上限となり、介護保険料は年49157円。
介護保険料は、個人で払うので、老夫婦2人の住民税非課税世帯であれば、住民税を払っている子供と同居の場合に比べると保険料は年間(60800-45600)×2=27,886円の差が出てくることになる。
高額介護サービス費制度による自己負担限度額も
介護サービスを利用する場合は、規定の費用を自己負担する。
ただし自己負担額には上限があり、上限を超えて支払った場合は超過分の払い戻しを受けることができる。
これが高額介護サービス費制度。
で、高額介護サービス費制度の自己負担限度額の上限だが、世帯の収入によって変わってくる。
例えば、65歳以上の非課税高齢者のみの世帯なら、介護保険サービスの自己負担が24600円を超える場合は、超えた分が返ってくる(ただし、食費などは別)。
一方、子供と同居していて、子供のほうが住民税を払っているとすると、たとえ65歳以上の高齢者が住民税非課税でも、上限額は44000円。
介護サービスの制限も
介護サービスも、同じ世帯に、子供たちも入っていると、制限を受けることがある。
特に顕著なのは、訪問介護。
いわゆる訪問ヘルパーさん。
高齢者のみの世帯の場合、掃除・洗濯・調理などの家事援助をしてもらうこともできるのだが、これば、同一世帯に息子や娘などがいると、原則家事援助は入ってもらうことができない。
原則は原則なので、もちろん例外もあるのだが、その例外を認めてもらうためのハードルは結構厳しめみたいだ。
ただし、判断は市町村がするので、どうしても必要となれば、自治体に相談すると何とかなるかも。
「世帯分離」という手もあるが
「世帯分離」といって、同じ住所に住んでいても世帯を変えてしまえば、問題ないことも多い。
が、「世帯分離」をしたとしても、実態に基づいて判断するという厳しい市町村もあるよう。
また、「世帯分離」にはメリットもあるがデメリットもある。
世帯分離をする場合、世帯分離のメリットデメリットをよく考えて。
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