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同居の範囲と「生計を一にする」について

生計を一にする 税金について知ろう
生計を一にする

 確定申告の時に、たびたび出てくるのが「同居親族」や「生計を一にする」という言葉。

 確定申告時の『同居』の範囲は?

 「生計を一にする」状態って?

 長期に入院しているなどの場合や老人ホームへ入居中した場合は「同居」・「生計を一にする」になる?ならない?

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税務署が同居とみなす要件

 まずは、所得税上税務署が「同居」とみなすのはどのような場合かについて。

 判断基準は「住民票上同じ住所で暮らしているかどうか」。

病院へ入院中の場合

 1年以上の長期にわたる場合でも、病気の治療のための入院は同居とみなす。

老人ホーム、養護施設などへ入所

 老人ホーム、養護施設などへ入所は原則的に、住所を老人ホーム・養護施設に移すため「同居」とはみなされない。

 ショートスティの場合は、住民票が自宅にあるので「同居」とみなされる。

グループホームや老人保健施設に入所

 グループホームや老人保健施設に入所の場合、原則的に、住民票が自宅から移されないことから同居とみなされる。

問題は住民票のありか

 国税庁のHPには明記されていないが、多分、同居とみなす要件は、住民票上の住所がどこにあるかってところなんじゃないかと思う。

 税務署が『同居か否か』の判定をする公的資料といえば、今のところ住民票上の住所しかないもん。

 基本的に、老人ホームや養護施設に入所するときは、住所を施設に変更することになっているし。

住民票

住民票

 しかし、『住民票上の住所が同じだけで実は、同居実態がない』って、結構ありそうな気もするが。

 税務署としては、本人が言わない限り、他に判断基準がない。

老人扶養の場合「同居」と「同居以外」の控除の差は大きい

 老人扶養控除の場合、年齢によって控除額が違うが、「同居」か「同居以外」ではもっと控除額に差が出てくる。

 例えば、扶養親族が70歳以上の場合、

同居を常としている場合:一般の扶養控除38万円+老人扶養控除10万円+同居10万円=58万円が控除金額
同居以外の場合:一般の扶養控除38万円+老人扶養控除10万円=48万円が控除金額
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「生計を一にする」というのは?

 ちなみに、「生計を一にする」というのは、どういう解釈かというと、

・同一の家屋に起居している場合には、明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる場合を除き、「生計を一にする」ものとして取り扱われる
・別居中でも、余暇には起居を共にしている
・送金が行われている

 ということなので、必ずしも住民票の所在は関係がない。

会社員、公務員などが勤務の都合により家族と別居している又は親族が修学、療養などのために別居している場合でも、1生活費、学資金又は療養費などを常に送金しているときや、2日常の起居を共にしていない親族が、勤務、修学等の余暇には他の親族のもとで起居を共にしているときは、「生計を一にする」ものとして取り扱われます。
国税庁HPhttps://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki2017/a/03/order3/yogo/3-3_y03.htm

 なので、たとえ老人ホームへ入居していて住民票上同居でなくても、場合によっては「生計を一にする」にあたることもある。

 また、住民票の上では世帯分離をしていたとしても、「生計が別」であるというわけではなく、実際に生計が一かどうかで判断される。

生活保護の場合はご注意

 生活保護をうけるばあいは、この、「生計を一にする」に注意がいる。

 例えば、世帯が別になっていても、住所が同じであったり、住所が別でも生活費が同じ財布から支払われている「生計を一にする」状態である場合は1世帯(一つの家族)とみなされ、生活保護の受給対象にならない場合も出てくる。

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