「迂回融資」っていったい何?
TVドラマなどで時々出てくる「迂回融資(うかいゆうし)」これっていったい何?
迂回融資は不正融資の一種だ。
目次
迂回融資は資金のまた貸し
- 図書館で借りた本をほかの人にそのまま貸してしまう。
とか
- 人に借りたものを貸した人の許可無くほかの人に貸してしまう。
これがまた貸し。
迂回融資はこのまた貸しの銀行版というようなもの。
迂回融資の構造
仮に会社Aと会社B、銀行Cがあったとする。
- 会社Aは「お金がほしい」が「銀行からの融資を受けられない状況」。
- 会社Bは「いま、お金は必要でない」が「銀行からの融資は受けられるような経営状況」。
- 銀行は会社Aに直接お金を貸すことができない。
- 銀行Cは会社Bにお金を貸す→会社Bは銀行から借りたお金を会社Aにそのまま貸す。
これが迂回融資。
迂回融資はなぜ問題か?
迂回融資がなぜ問題になるのかというと・・・。
本来返済能力の低い会社に資金を貸し付けることによって、返済ができなくなる可能性があること。
銀行の融資には「資金をどう使うか」「融資対象はどこか」という項目があって、迂回融資はこの融資条件をごまかすことになる。
銀行が迂回融資にかかわっていた場合どんな罰を受ける?
銀行員が迂回融資を仲介した場合背任罪(刑法247条)または特別背任罪(会社法960条)が成立する可能性がある。
背任:第二百四十七条
他人のためにその事務を処理する者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、本人に財産上の損害を加えたときは、五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
取締役等の特別背任罪:第九百六十条
次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は株式会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該株式会社に財産上の損害を加えたときは、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
迂回融資にかかわってしまったら?
迂回融資にかかわってしまった会社Bはこの場合どんなことになるのか?
知らないでかかわってしまった場合、銀行から借りた資金が返せず、自分の会社の財産を処分して返済することになる。
まあ、こうなると、会社に対しての背任罪・特別背任罪などにも問われる羽目になるのかも。